花のカタログが送られてくる。
 
あれもこれも欲しくなる。
 
買えば鉢数が多くなる。
 
鉢でごったがえした置き場は雑然としている。
 
植え替えに追われ、日々の管理も追いつかず、枯れるものも多くなる。
 
管理できる限界を超えると、最後はバンザイだ。
 
ランの実生も、管理できる範囲を超えている。
 
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やっと、移植も終わりに近づいた。
 
ダイ・ハード (死にそうなほど、しんどい)
 
 
 
 
・・・・人はどれだけの土地が必要か・・・・
 
                トルストイ原作
 
 
ある日、ひとりの貧しい農夫が不思議な老人と出会った。
 
老人は農夫に言った。
 
「ここから歩きはじめて日が暮れるまでに、ひとまわりして帰った土地は
 
おまえさんのものじゃ」
 
 
次の日、農夫は夜明けとともに嬉々として歩きはじめた。
 
自分の土地があれば、ささやかでも明日の心配をしなくてすむ。
 
食っていけるだけで充分だ。
 
 
農夫は、丘の上から林に向かった。
 
これだけの木があれば薪の心配はない。
 
 
林を抜けると、目の前に肥沃な台地が広がった。
 
この土地がわしのものになれば、小麦がいっぱい収穫できる。
 
もっと暮しが楽になるだろう。
 
 
更に歩いていくと、草原が広がり、小川の水が豊かに流れていた。
 
ここには牧草がたっぷりある。 牛もたくさん飼える。
 
もっともっと暮しがよくなるだろう。
 
 
欲の皮がつっぱってきた。
 
もっと、もっと、もっと、ここもあそこも自分の土地になるのだ。
 
 
どれだけ歩いただろう。
 
日暮れが迫っている。
 
もうへとへとだ。
 
早くしないと帰れなくなるぞ。
 
急げ、急げ。
 
 
丘の上に夕日が隠れようとしていた。
 
息も絶え絶えに丘に向かって駆け上がった。
 
ああ、間に合った。
 
力尽き、ばったり倒れた農夫は
 
もう再び立ち上がることはなかった。
 
 
農夫にとって必要な土地、
 
それは彼の棺桶を埋めるだけの土地だった。
 
 
昔、教科書で習った記憶と、あらためてネットで検索した本来のストーリーとは
 
相違しているところガあります。